さて、前回に続き、エヴァ・バルトークの話の続きです。今回は、この奇跡の本質部分について語ってみたいと思います。

みなさん、奇跡というものをどのようにお考えでしょうか?まず、起こりえないことが神の恩寵により人に与えられるというのが奇跡であると私は理解しております。ですから、スブドに入り、ラティハンをしたからといって、エヴァのような奇跡的治癒が起こったりするとは限りません。否、困難な状況にある人がラティハンによる浄化の過程でさらに困難な事態に直面することも多々あります。奇跡の泉として有名なカトリックの聖地のルルドの泉の水を飲んで病気が治癒したという話も聞きますが、ローマ教皇庁の調査によれば、奇跡的な完全な治癒が起こったのは確率としては非常に低く、何十万、何百万に一件という話です。カトリックで大事にしているのは奇跡そのものよりも、ルルドの泉を通じ、聖母マリアに神への取次ぎを願い、完全に自分の運命を神に委ねる勇気を与えられるということにあると個人的には考えています(私もカトリックで、ルルドの水はいつも飲んでいますが、この話はまた後で)。

同様に、エヴァのケースも神の恩寵なのです。望んで得られるものではありません。このような奇跡に魅せられてスブドに入会するとしたら、皆さんはスブドに対して幻滅を感じる可能性が非常に高いと申し上げましょう。

次に、パ・スブーが、エヴァの治癒に関する説明を含んだ公式の話をしています。その一部を下に掲載いたします。スブド理解の一助となると思います。

前回の続きです。
今回はスブドが最初に有名になったきっかけについて書きます。

皆さんは、エヴァ・バルトークというハンガリー出身の1950年代から活躍していた女優さんをご存知でしょうか?たぶん、もはや大多数の人は知らないと思います。知っているのは今では一部のコアなハリウッド映画ファンのみかもしれません。出演作品は、「深紅の盗賊」、「海駆ける男」、「ダイヤモンド作戦」、「脱獄十二時間」、「モデル連続殺人!」といったところです。

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(Eva Bartok)


多くの女優さんの例にもれず、彼女は5回の結婚をしています。最初の結婚は、強制されたもので、ナチスの幹部とのものでした。最後の夫はドイツの俳優クルト・ユルゲンスです。クルト・ユルゲンスと離婚後、彼女は女児を出産します。後に彼女は、この子はフランク・シナトラとの間にできた子供であると告白しています。まあ、ゴシップはこのくらいにして、本題に入りたいと思います。

スブドの初期の発展を考えると、グルジェフのシステムについて触れざるを得ないでしょう。いろいろな解説書やインターネット上の資料を見ると、スブドはグルジェフの思想的な影響を受けてから広まり、有名になっていったというような説明がまことしやかに囁かれています。これは本当のことでしょうか。

このことに触れる前に、グルジェフと彼の思想について述べておく必要があるでしょう。
ゲオルギー・イヴァノヴィッチ・グルジェフは、1866年、アルメニアに生まれた神秘主義者です。同時に、著述家・舞踏作家・作曲家として知られています。ロシア、フランス、アメリカなどで活動しました。


グルジェフの名前を知らなくても、性格分析に用いられるエニアグラムというツールをご存知の方は、たくさんいらっしゃるかと思います。このツールは、歴史的にみると、グルジェフが最初に用いた(発明した?)ということがほぼ確実視されています。また、彼の楽曲は、ジャズピアニストとして高名なキース・ジャレットが演奏し、アルバムを制作しています。

彼は若いころ、東洋を遍歴し、その後、西洋で活躍しました。20世紀最大の神秘思想家という評価もあれば、「変なおじさん」という残念な評価もあり、意見は両極端に分かれます。私個人の感覚で言いますと、現代でいえば、分野は違いますが、Apple社の創設者、スティーヴ・ジョブズのような人だったのだろうと思います。

さて、巷で言われているスブドはグルジェフの思想的影響を受けたという解説ですが、事実はまったく異なります。

グルジェフの死後、彼の弟子であるジャンヌ・ド・ザルツマンという人が、ワークを引き継ぐ形となりました。
また、戦後に大勢の生徒を連れてグルジエフのもとを訪れていたJ・G・ベネットは、1920年代の初頭におけるグルジエフの活動にならって、コミューン的な環境でのワークを追求し、まずはイギリス、のちにアメリカに学院を設けました。
その他、ウスペンスキーをはじめとするグルジェフから離反した人たちのグループも生まれました。

スブド・ジャパンのウェブサイトの再構築がやっと終わりました。
システムの脆弱性を突かれた無差別攻撃で崩壊してしまいましたが、システムのバージョンアップなどを行い、なんとか見られる形に戻りました。
ついでなので、日英のバイリンガルサイトにしました。今後はこうした不意の攻撃がないことを祈るだけです。
新たに設けたこのブログページでは、イベントの紹介、スブドのこぼれ話などのニュースを中心に挙げていきたいと思います。

ここには個人的な意見や見方なども入る可能性がありますので、スブド・ジャパンとしての公式見解は、他のページをご参照ください。

今後ともよろしくお願いいたします。

(文責:サイト管理者)